作ったベーコンどう食べる?燻製香が爆発する絶品カルボナーラ&ポテサラレシピ

食材・レシピ

手間暇をかけて仕込んだ、自家製の燻製ベーコン。

飴色に輝くブロック肉が完成したとき、達成感と一緒に「さて、これを一番おいしく食べるにはどうしようか」という贅沢な悩みが生まれます。

もちろん、そのまま齧り付くのも正解です。

けれど、燻製の香りが凝縮されたベーコンは、料理に使うことで驚くほどの「出汁」と「風味」を放つ調味料にもなります。

市販の薄切りベーコンでは決して出せない、濃厚な薫香と脂の甘み。

今回は、そんな手作りベーコンのポテンシャルを最大限に引き出す、とっておきのレシピをご紹介します。

週末のブランチや、夜のお酒のお供に。

キッチン中に広がる幸福な香りを、ぜひ楽しんでみてください。

 

まずはシンプルに。「焼く」だけで変わる脂の旨味

料理にする前に、まずは素材そのものの味を確かめてみましょう。

燻製ベーコンの醍醐味は、なんといっても「脂」にあります。

煙の成分をまとった脂は、熱を加えることで香りが一気に花開きます。

 

厚切りにして、弱火でじっくり

おすすめの食べ方は、少し贅沢な厚切りです。

1センチほどの厚さにスライスし、油をひかずにフライパンに並べます。

火加減は弱火で、じっくりと。

「ジューッ」という音とともに、肉自身の脂が溶け出してくるのを待ちます。

表面がカリッとして、透き通った脂が滲み出てきたら食べごろです。

噛み締めた瞬間にジュワッと広がる旨味と、鼻に抜けるスモーキーな香り。

これだけで、ビールやハイボールが止まらなくなる最高の一皿になります。

 

そのまま食べるときの注意点

もし、作ったばかりのベーコンを加熱せずにそのまま食べる場合は、衛生面に注意が必要です。

完全に火が通っている「熱燻」や、高温での「温燻」でしっかりと中心温度まで加熱されたものであれば問題ありません。

しかし、温度管理が難しい自家製燻製の場合、念のため食べる前に軽く炙るか、加熱調理をする方が安心です。

おいしい時間は、安全であってこそですから。

特に豚肉は、新鮮であってもE型肝炎ウイルスや寄生虫のリスクがあるため、食品安全委員会も生食を避けるよう強く注意喚起しています。自家製の場合は「生焼け」になっていないか、断面をしっかり確認しましょう。

ちなみに厚生労働省では、食中毒や感染症を防ぐため、豚肉などの食肉は「中心部まで75℃で1分間以上の加熱」を行うよう推奨しています。温度計を使って数値を確認するクセをつけると、より安心です。

(出典リンク) 内閣府 食品安全委員会:豚肉の食中毒などの防止について
(出典リンク) 厚生労働省:お肉はよく焼いて食べよう 

 

燻製香が主役。大人の極上カルボナーラ

自家製ベーコンができたら、私が必ず作るのが「カルボナーラ」です。

生クリームを使わない、卵とチーズとベーコンの脂だけで作るローマ風のレシピ。

燻製の香りが卵の濃厚さと絡み合い、お店でもなかなか出会えない深い味わいになります。

 

材料(1人分)

用意するものはシンプルです。

パスタ(スパゲッティ):100g

燻製ベーコン:40g〜50g(ブロックから拍子木切りにする)

卵(全卵):1個

卵黄:1個

粉チーズ(パルミジャーノなど):大さじ3

黒胡椒:多め

オリーブオイル:少々

 

手順1:ベーコンの脂を引き出す

フライパンにオリーブオイルをほんの少し引き、棒状に切った燻製ベーコンを入れます。

弱火にかけ、ベーコンから脂がしっかりと出て、カリカリになるまで炒めます。

この「脂」こそが、ソースの旨味のベースになります。

キッチン中に燻製の良い香りが漂ってきたら、火を止めて粗熱を取っておきます。

 

手順2:卵液の準備

ボウルに全卵、卵黄、粉チーズを入れ、よく混ぜ合わせます。

ここに、先ほど炒めたベーコンを脂ごと加えます。

ベーコンの熱で卵が固まらないよう、手早く混ぜるのがコツです。

たっぷりの黒胡椒も、この段階で振っておきましょう。

 

手順3:予熱で仕上げる

茹で上がったパスタの水気を切り、ボウルに入れて卵液と和えます。

フライパンの上で加熱しながら和えると、卵がボソボソになりがちです。

ボウルの中で、パスタの余熱を使ってとろりと乳化させるのが失敗しないポイントです。

お皿に盛り付け、さらに黒胡椒を振れば完成。

フォークに巻き付けて口に運ぶと、濃厚な卵液の中から、燻製ベーコンの力強い香りが突き抜けます。

これを知ってしまうと、もう市販のベーコンには戻れないかもしれません。

 

燻す日々のお供に。スモーキーなポテトサラダ

もう一品、作り置きにも適しているのが「燻製ベーコンのポテトサラダ」です。

いつもの家庭的なポテトサラダが、ベーコンを変えるだけで、ワインやウイスキーに合う「大人のつまみ」に進化します。

 

香りを重ねるための工夫

じゃがいもは2個ほど、皮をむいて茹で、熱いうちに粗く潰します。

ここに、カリカリに炒めた燻製ベーコンのみじん切りを加えます。

ポイントは、ここでも「炒めた脂ごと」入れること。

じゃがいもが温かいうちに混ぜることで、芋全体に燻製の香りが染み渡ります。

味付けはマヨネーズだけでなく、粒マスタードを小さじ1ほど加えてみてください。

酸味と辛味がアクセントになり、スモーキーな風味を引き立ててくれます。

 

具材はシンプルに

きゅうりや人参を入れても良いですが、私はあえて「じゃがいも、ベーコン、玉ねぎ(スライスして塩揉みしたもの)」だけで作るのが好きです。

食感のコントラストと、燻製の香りを純粋に楽しめるからです。

冷蔵庫で一晩寝かせると、味が馴染んでさらに美味しくなります。

ただし、保存料を使わない自家製ベーコンを入れたポテトサラダは、市販品よりも傷みやすい点に注意が必要です。清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保管して早めに食べきりましょう。

ちびちびとお酒を飲みながらつまむのに、これ以上の相棒はいません。

(参考リンク) 農林水産省:お弁当づくりによる食中毒を予防するために(作り置きのポイント)

 

余韻を楽しむ。スープやうどんへのアレンジ

ブロックで作ったベーコンは、どうしても端っこや切れ端が出ることがあります。

そんな「かけら」も、素晴らしい出汁の素になります。

 

寒い夜のスープに

コンソメベースの野菜スープや、ポトフに切れ端を入れてみてください。

煮込むことでスープ全体に深みのある燻香が溶け出し、まるで何時間も煮込んだような味わいになります。

クリームチャウダーやミネストローネとも相性が抜群です。

 

意外な相性、釜玉うどん

パスタを茹でるのが面倒なときは、冷凍うどんでも楽しめます。

電子レンジで解凍した熱々のうどんに、生卵、焼いたベーコン、醤油、黒胡椒をかけるだけ。

いわば「和風カルボナーラうどん」です。

醤油の香ばしさと燻製の香りは、実はとてもよく合います。

手早く済ませたい一人のお昼ごはんが、少しだけ特別なものに変わります。

 

 まとめ

手作りの燻製ベーコンは、完成した瞬間がゴールではありません。

そこから日々の食卓でどう楽しむか、その時間の豊かさこそが本当の価値だと私は思っています。

今回ご紹介したレシピを整理します。

まずはシンプルに、厚切りで焼いて脂の甘みを楽しむこと。

次に、卵とチーズで濃厚に仕上げる「カルボナーラ」で香りを爆発させること。

そして、お酒のアテとして「大人のポテトサラダ」を作り置きすること。

最後に、切れ端を使ってスープやうどんなどの日常食を格上げすること。

どれも難しい技術はいりません。

ただ、時間をかけて燻したその香りが、料理の腕を一段も二段も上げてくれます。

今日の食事が、火と煙の記憶とともに、心満たされるものになりますように。

 

 

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